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会社設立講座

会社設立を検討されている方へ

当事務所では、会社設立を検討されている方に対して、最適な方法をご提案いたします。

また設立後に関しても様々な問題に対処できるよう、当事務所の持つ幅広いネットワークにより万全の支援をして参ります。

まずはぜひ、お気軽にご相談ください。

会社設立のメリット&デメリット

新会社法が施行されたことにより、株式会社の資本金が1円でよい、取締役が1人でよい、などの制度の簡略化がされ、今までよりかなり手軽に株式会社を設立することができるようになりました。

しかし、簡単に会社を設立することはできますが、会社を設立した後に会社を維持していくためには、費用もかかりますし、税務や法律の知識も必要となります。

会社を設立する前に、どのようなメリットとデメリットがあるのかを、しっかりと把握しておく必要があります。

メリット
  • 社会的信頼が大きくなる

    やはり世間的には、個人で事業をしている場合と、会社を設立している場合とでは、社会的な信用に差がでてきます。取引先によっては、会社でなければ取引はできないという場合もあるようです。また、広告や宣伝をする際にも、会社として世間にでていく方が消費者の信用を得られやすいのではないでしょうか。

  • 会社の役員の給料を役員報酬というかたちで会社の経費にできる
  • 資本金が1000万円未満の場合、創業からの最初の2期は消費税の納税義務がない
  • 減価償却費の計上が任意でできる
    資産を購入した場合、減価償却費というかたちで経費を数年に分けて計上しますが、会社では、この減価償却費を計上しないこともできます。[個人は必ず減価償却費を計上します]
    その期の売上げを黒字にしたいのに、赤字になってしまう場合などには、減価償却費を計上しないことで、利益の調整ができます。
  • 青色欠損金が10年間繰り越しできる
    赤字が出ても、その赤字を翌期に繰り越せるという制度で、個人事業主では3年間しか繰り越せません。
    この制度は、会社を設立した後の利益がでない時期には有利な制度です。
  • 法人を契約者にする生命保険に加入することにより節税ができる
  • 役員に退職金を支給できる
デメリット
  • 会社設立に費用と手間がかかる
  • 会社を維持していくために手間がかかる
  • 会社の経理事務などの会社を維持していくための手続きは、個人事業よりも多く、煩雑になります。
  • 利益がでなくても、地方税が年間最低7万円かかる

このように、会社を設立することで生じるデメリットもありますが、利益が大きくなるとメリットの方がかなり大きいといえると思われます。

ただし、税金面のみととらわれることなく、総合的に判断することも重要です。

会社設立前の検討事項

まず、会社を設立する前に、会社の概要を決めておかなければなりません。

商号

商号とは会社名のことです。名前の前か後に必ず「株式会社」(株式会社の場合)をつけなければなりません。

名前に使える文字は、ひらがな・カタカナ・漢字および、ABCabcなどのローマ字、123などの数字が使えます。その他には、「&」(アンパサンド)「-」(ハイフォン)「‘」(アポストロフィー)「・」(中点)「, 」(コンマ)「. 」(ピリオド)の6種類の符号を使うことができます。

今までは、類似商号の調査が必要でしたが、新会社法施行後はこの調査は必要なくなりました。

しかし、同じ本店所在地に同じ商号の会社を作ることは、商業登記法により禁止されているので、このことは事前に調査することが必要です。

もちろん、不正な目的をもって有名会社などと類似した商号をつけることなどは出来ません。

本店

会社の住所のことです。まずは、ご自宅の住所を本店にしておくこともできます。
本店の所在地は、定款と登記簿に記載されますが、この二つの本店所在地の表記は異なることが一般的です。

定款における「本店」:本店が所在する最小行政区画(例:東京都中央区)まで記載すればよいことになっていますが、その後に続く町名や番地なども書くこともできます。

※同じ区内で本店移転した場合など番地まで記載をすると、定款の記載を変更する必要があるため、 最小行政区画までの記載とすることが一般的です。

登記簿における「本店」:番地まで確定した明確な所在地を書かなければなりません。
(例:東京都中央区築地二丁目3番7号)

目的

会社の事業の内容のことです。登記簿の記載されるものなので、第三者が見て、この会社はどんな事業をしているのかが理解できるものでなければなりません。

会社の目的は、従来、適法性、営利性、明確性、具体性が要求されていましたが、会社法では適法性と明確性だけが要求されるようになりました。

事業内容が、世の中に認知されていない新規の言葉で一般の人に分からないという場合、明確性がないという指摘を受ける可能性があります。

設立後すぐに開始する事業のほかに、将来的に開始するかもしれない事業の目的も記載することが出来ます。

発起人

会社設立の企画者のことです。発起人は会社の資本金を1株以上出資しなければなりません。
発起人は1人いればよいこととされており、法人(会社)も発起人となることができます。

役員

以前は、取締役は3人以上、監査役を置く事も必要とされましたが、新会社法施行後は、取締役は1人以上、監査役の設置は任意となりました。(譲渡制限会社に限る)

また、今までは、取締役が2人以上いる場合に代表取締役を選定するという制度がありましたが、現在は、取締役が1人でも、代表取締役を選定することができます。

資本金の額

資本金はいくらにすればいいのでしょうか?最低資本金規制が撤廃されて、現在は資本金1円の会社も設立可能です。

しかし、この場合、通常設立をしたと同時に債務超過の会社となってしまいます。また、取引相手などの外部の人たちは、資本金1円の会社を信頼できる会社と見てくれるでしょうか?

資本金の決め方の一つの考え方として、事業ごとに当初かかる費用というものは違いますので、その事業を立ち上げるのにどのくらいの費用が必要かといった視点で資本金を決定されるのもいいかと思います。

また、以前は株式会社の最低資本金が1000万円でしたので、自動的に消費税課税業者になってしまいましたが、1000万円未満でも可能となりましたので、設立から2年間(2期)は消費税の納税義務を免除されるようにすることも可能となりました。

事業年度

会社の会計の区切りとなる期間のことです。個人事業とは違い事業年度は自由に決められます。

例えば、「4月1日から翌年3月31日まで」とした場合には、事業年度の最終日の翌日の4月1日から2ヶ月以内に確定申告をしなければなりません。

もし2月15日に会社を設立して、事業年度の最終日を3月31日までとしてしまったら、設立後すぐ5月31日までに第1期の確定申告をしなければならないので、2月15日設立の場合には、事業年度は「2月1日から翌年1月31日まで」というような設定にしておくといいでしょう。

※消費税は設立から2期は納税義務がありませんので、第1期はなるべく1年に近くすることが節税につながります。

設立日

会社設立の登記を法務局に申請した日が設立日となります。

 

以上の内容を始めに決めておくと設立の手続きが比較的スムーズに進みます。

法律的・税務的な知識が必要な部分もありますので、法務局や専門家に相談しながら決めていく方が後々のトラブルを未然に防げるかと思われます。

会社設立の流れ

会社設立のための基本事項を決める

会社の基本的な枠組みとなる事項で、十分に検討のうえ、必ず決めなければならないことです。「会社設立までに決めておくこと」をご参照ください。

 

商号の調査、目的の確認

類似商号規制の制度はなくなりましたが、同一の本店所在地に同一の商号の登記をすることはできないので、法務局で事前に調査することが必要です。

また、他の会社と誤認されるおそれのある商号は好ましくないので、これに関する調査も必要です。

会社代表印(会社実印)の作成

商号が決定したら、会社代表印を作成します。この代表印は、会社設立の登記申請の際に、法務局に登録する実印となります。

登記申請に遅れが出ないよう早めに注文します。同時に会社の銀行印を作成してもよいでしょう。

定款の作成、申請書類の作成

定款は会社の法律のようなものです。①で決定した会社の基本事項などを取り入れながら作成していきます。

当事務所では、電子定款認証に対応しております。電子定款認証により、今までは、公証役場で認証を受ける際に必要だった収入印紙4万円が不要となり、印紙代を節約できます。

同時に、登記申請のための書類の作成や必要な添付書類の収集を開始します。

定款認証

定款は公証役場の公証人の認証を得て、はじめて定款としての効力を持ちます。

発起人全員の委任を受けて、行政書士が公証人役場へ出向き、定款認証を受けます。

資本金の払い込み

定款認証が終わったら、(代表)取締役の個人名義の通帳に、それぞれの発起人が資本金を振り込みます(発起設立の場合)。

この時の注意点としては、必ず定款認証後の日付で振り込みをする必要があります。

会社設立の登記申請の際には、資本金の払い込みがなされたことを証明するために、この預金通帳のコピーを提出します。

会社設立の登記申請

司法書士が登記申請書類を法務局に提出します。法務局に登記申請をした日が会社設立日となります。法務局で会社の登記が完了するまで、1~2週間かかります。

会社設立までの期間は新会社法が施行されて、どのくらいの時間がかかるかを予測しやすくなりました。

その理由として、一つは類似商号規制の撤廃による目的の審査基準の緩和があげられます。

これにより、目的について適法性や明確性があればよく、具体性が問われなくなりました。

そのため、法務局に事前に確認することが少なくなり、また法務局からの回答も早くなったことにより、目的の確定が短期間でできるようになりました。

もう一つは、資本金の払込金保管証明制度の簡素化があげられます。発起設立の場合、資本金の払込額を証明する書類として、従前の金融機関等が発行する払込保管証明書でなくても、資本金の払い込みのあった代表者名義の通帳の写しでよくなりました。

これにより、従来、金融機関等が払込金保管証明書を何日後に発行するかによって設立までの期間が変わってきましたが、通常すぐにできてしまう代表者名義の通帳への振込でよくなったため、大幅に時間が短縮されました。

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